好きになんてなるわけねーだろ!!!


『…んだよ、田口。』


こいつと話すときは、なぜか機嫌が悪くなる俺。

いつもの数倍ほど低い声で呟いた。


「やだなー、光輝。俺ら、友達なんだから、慶太って呼んでよ!てかもう、親友じゃね!?」


田口が肩に回そうとした手を振り払う。


『悪いけど。親友とか。思ったことない。』

「えーっ!酷い酷い!」


いつも思うが、なんでこいつはこんなにテンションが高いんだろう。


「もー、こいつ酷いんだよー。慰めて。」


田口がそう言うと、回りにいた女子たちが肩を貸したり頭を撫でたりといろいろやりだした。


……なんの茶番だよ、馬鹿馬鹿しい。


『じゃーな、精々女子と楽しめよ。』


俺はそう言い残して校舎から出る。


……これが、のちに親友となる慶太の第1印象だった。

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