好きになんてなるわけねーだろ!!!
輪から少し外れたとこで立ち尽くす裕太に俺は近づいた。
『行かなくて良いんだ?大好きなお姉ちゃんのとこ。』
裕太は、ぼっと、顔を赤く染める。
「ばっ!…行かねーよ!!てか、そんなんじゃねーし!!」
激しく反抗したと思ったら、今度は声を小さくして呟いた。
「………でも、無事で良かった。」
そう言って、すっと俯く裕太の髪をくしゃっと撫でる。
『男だなー。』
「…たりめーだ!!…でも光輝。さんきゅ。見つけてくれて。」
俺は、驚いて裕太の顔を見た。
「んだよ!!」
そう言った裕太のおでこにデコピンを食らわす。
「いっ、てぇーー!!」
『はは、わりぃわりぃ!』
……生意気だ。
裕太には、まだまだ子供でいてもらわねーと、俺が焦るんだから。
こうして、長かった1日は終わった。