好きになんてなるわけねーだろ!!!
「なんだこの騒ぎ。」
「あー、葵ちゃん、やっほー!」
タイミングが良いのか悪いのか、光輝と慶太くんが私たちの教室へやってきた。
既に信じきっているクラスメートは、当たり前のように私のところへ来る光輝に黄色い悲鳴を上げる。
「え、なに。どーなってんの?」
『もう、聞いてよ光輝ー!!!』
「なんでもないっ気にしないで光輝くん!」
助けを求めようとすると葵が口を挟んだ。
そして、私の方を向いてウィンクして見せた。
完全に私が光輝のことを好きだと思ってるからこの騒ぎを光輝に知られないようにと気を遣ったらしい。
要らない気遣いでしかないけど。
私は、葵を無視して光輝に伝えた。
『なんか、私が光輝のこと好きだって勘違いしてんの。どーにかしてよ。』