好きになんてなるわけねーだろ!!!
「え、杏奈と光輝くんって、今まで彼氏彼女いたことある感じなんだ…?」
驚いたように聞いてくる葵。
私と光輝は当たり前のように答えた。
「え、うん。」
『まぁ、あるよ?』
それを聞いていたクラスメートたちには、普通にお互いの彼氏彼女について話し出したことで、誤解だと伝わったらしい。
「やっぱ、勘違いかー」
「そりゃ、まぁ。幼馴染ならそのくらい仲良いよね」
それぞれ言いたいことを言いながら捌けていった。
「ところで葵ちゃん?この前、すごい速さで逃げたよねー!俺のこと好きなの?」
騒ぎが収まり始めた頃、葵に慶太くんが声をかけた。
……なんで、逃げられたら好きってことになるんだろう。
不思議に思いながらも、葵の顔を見る。
葵は、心底気持ち悪そうに慶太くんを見ていた。