好きになんてなるわけねーだろ!!!


…俺は今、とても困っている。


「なぁ!今日の科学難しくなかった?」

「俺、実験すら出来てなくてさーー」

「だよな!!結果どころじゃねー!」


……とても、とても。


『あーわりい!俺教科書借りてたんだよな!ちょっと行ってくるわ!』


俺は、回りに群がる男子に言う。

杏奈たち、俺らの次に科学って言ってたし。


「えー!!マジかよ!?バレなくて良かったな!」


そう言いながら、俺が持っていた教科書を奪ったのは、慶太。

あれ以来、女子と群がることを辞めたこいつは、あっさり男子の中に馴染んでいる。


「…って!これ、杏奈ちゃんのじゃん!!やっぱお前らって…?」

『うるせえ、慶太黙れ。』


俺は、つい即答する。

そういうことには興味はないものの、誤解を与えるような表現は避けてほしい。

杏奈が俺を好きっていうのなら、俺にはなにも問題はないがな。

俺が杏奈のことを好きってのになったら話は別だ。

断固拒否!!!


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