好きになんてなるわけねーだろ!!!
4時間目を終えた俺は、席で頭を抱えていた。
今の授業で、午前は終わり。
今から、昼休みなのだ。
………どうやって、返しに行こうか。
……なんて言い訳をしようか。
『……あ"ぁーー』
ついつい唸り声を上げた俺に慶太が話しかけてきた。
「なになに、杏奈ちゃんのことで、お悩みでも?」
『…………うるせーー。』
もとは、お前が余計なこと言うから悪いんだろ…。
…いっそのこと、全てをこいつのせいにしてしまおうか。
「うるせーとはなんだ。話を聞いてやろうとしてるのに。」
恩着せがましい言い方に、今は笑いも出てこない。
『大体、お前が余計なこと言うから、俺が杏奈を………』
言いながら、顔を上げて、慶太を見る。
……慶太を、見たはずだった。