好きになんてなるわけねーだろ!!!
「君たち!!やっぱ仲良しだねっ!」
そのタイミングで突っ込んできた慶太に嫌な予感しかしない。
杏奈は、不思議そうな顔で慶太を見ていた。
「さっきは、否定してたけど、やっぱ光輝、好きなんだろ!」
席の近い男子が、ニヤニヤしながら言ったのを最初に、クラスメートほぼ全員が騒ぎ出した。
「え、てか、もう付き合ってんの?!」
「杏奈ちゃんも好きで両想いとか!?」
ぎゃーぎゃー聞こえる声に、俺は頭を押さえる。
さっきまでのやりとりを知らない杏奈は、突然のこの空気に呆然としていた。
「きゃー、好きなんだ!!」
「両想いなんだあ!!」
「光輝、なかなかやるな!!」
「杏奈ちゃんも、なかなかだねっ!」
「「「てゆーか、お似合い!!」」」
言いたい放題言う奴らに、俺は、本能のまま叫ぶ。