好きになんてなるわけねーだろ!!!
『…お前、まじで勘違いしてねーよな?
俺が、お前みたいな馬鹿で騒がしいやつ好きになんてなるわけねーだろ。』
杏奈は、眉をピクつかせ、さらにイラついた様子で言い返す。
「分かってるよ!てか、勘違いなんてするわけないじゃん!そっちこそ自惚れてないでよね。
あんたみたいなうるさくて馬鹿なやつこっちからお断りなんだから!」
真っ正面から言い合いをする状況に、回りの奴らは焦り出す。
俺らにとっては言い合いなんて日常なんだけど。
「ストップ、ストップ!!喧嘩はやめよーぜ?」
やばい空気を感じたのか、慶太が俺たちの仲裁に入った。
……が、そんなことは言い合いを始めた俺らには関係ない。
実際、俺らの喧嘩を止めれるのなんて、キレた裕太か、泣き出した幸くらいだと思う。
……つーわけで。
「うるさい、慶太くんは黙ってて。」
『うるせー、慶太は黙ってろ!!』
「……わ、わりい。」
見事にハモった俺たち。
謝る慶太もほったらかしにして、結局昼休みが終わるまで言い合いを続けたのだった。