女子やってます
でも今回ばかりは呆れる。
だって相手は男。
そりゃ胸なんてあるわけない。
「まぁ、授業を始めるわ。
手始めに桃井さん、28ページ読んでみなさい」
おい何が手始めだよ。
転入生に読ませるとか、この教科書と澪は初見なのに。
絶対に嫌がらせだろうが。
あたしは澪に
「大丈夫?先生に言おうか?」
と耳打ちをする。
「んーん、大丈夫だよ?転入生だからって特別扱いされたくないしね」
いや、特別扱いって言うか
先生からの嫌がらせに気づいてる?
なわけないか…鈍感だもん。
と、ひとりで悶々としてると
隣の澪が立ち上がり、あたしの教科書をスラスラと読み始めた。
…あたし馬鹿すぎて何言ってるかわからないけど。
「…when I was at college, I used to…」
ネイティブかよ…
先生もこれには驚いてる。
澪ってこんなに頭良かったっけ…
あたしの知ってる澪は正直良くはなかった。
外見は澪なのに中身だけ違うみたい…