女子やってます

香苗side



「すぅー…すぅー…」


なんか寝息が聞こえるんですけど。


「千聖…」

そう、千聖が寝やがった。
たった2時間しか勉強してないのに。


「ごめん、私そろそろ家帰らなきゃ。
ご飯の準備もしなきゃだし」

なにより、どっかの店で母親が潰れてる気がする。


「あ、そっか。そんな時間だね。
じゃあ裕介、佐久間さんを送って行ったら?」


桃井くんは裕介にそう言うことけど…
裕介には目も呉れず私に視線を送ってくる。

まさか…バレてる?
私が裕介のこと好きだってこと。


「あ、そうだな。確か佐久間は東駅だったよな?俺も最寄りだから送るよ」


…はぁ、こればっかりは桃井くんに感謝だな。

出会って2日目。
千聖を巡って悪い印象もあったけど。


「でも、千聖どうする?」

「あぁ、大丈夫だよ。家近いし、なんなら家に泊まってもいいから」


まあ、狙いはそっちですよね。

でもいきなり狼になって襲ったりしないかしら…

< 37 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop