女子やってます
香苗side
「すぅー…すぅー…」
なんか寝息が聞こえるんですけど。
「千聖…」
そう、千聖が寝やがった。
たった2時間しか勉強してないのに。
「ごめん、私そろそろ家帰らなきゃ。
ご飯の準備もしなきゃだし」
なにより、どっかの店で母親が潰れてる気がする。
「あ、そっか。そんな時間だね。
じゃあ裕介、佐久間さんを送って行ったら?」
桃井くんは裕介にそう言うことけど…
裕介には目も呉れず私に視線を送ってくる。
まさか…バレてる?
私が裕介のこと好きだってこと。
「あ、そうだな。確か佐久間は東駅だったよな?俺も最寄りだから送るよ」
…はぁ、こればっかりは桃井くんに感謝だな。
出会って2日目。
千聖を巡って悪い印象もあったけど。
「でも、千聖どうする?」
「あぁ、大丈夫だよ。家近いし、なんなら家に泊まってもいいから」
まあ、狙いはそっちですよね。
でもいきなり狼になって襲ったりしないかしら…