女子やってます
澪side
「すぅー…すぅー…」
俺の部屋で気持ちよさそうに寝てる千聖。
全く…
(なんて無防備なんだ…)
シャーペンを握ったまま変な体勢で寝てる千聖を抱えベッドに寝かせた。
ロングの黒髪に赤いピン留め。
小学生の頃、貧乏癖と言うかお金に厳しかった千聖が買ってきてくれたもの。
あれ以降俺はずっと身に着けてきたけど
千聖も身につけてくれて嬉しかった。
おじさんが死んでからどう接していいかわからなくて、何も言えずオーストリア行きが急に決まった。
「ごめんな、千聖…。一番辛いときにいてあげられなくて」
俺はそう言って千聖の頬をそっと撫で
唇をそっと近づけた。
「ん…パフェおいし…むにゃむにゃ…」
千聖の寝言ではっとした。
駄目だ、何やってんだ俺。
寝てるからって勝手にこんなことしたらまずいだろ…。
いや、千聖がこんなにも可愛いのがいけないんだよ。
いつかその唇、俺が貰うからな?