女子やってます
教室の端と端で怒鳴りあっていたから
クラスのみんなが一斉に笑った。
「ほんとにお前ら付き合ってねーの!?」
「もう付き合っちゃえよー」
「ハモるとか以心伝心ー」
みんな茶化さないでよー。
「あたしさ…恋愛とかしたことない」
と、香苗に言ってみた。
「付き合ったこととかないの?」
「全然。好きとかわかんないし、付き合う意味がわかんないんだよね」
そうなんだよね…
お菓子が好き!とか、香苗が好き!ってのはわかるんだけどー。
異性を意識するってなんなんだろ。
「んーむ…恋をするとね…胸がきゅんきゅんして痛くて苦しいの」
「えぇ!心臓病じゃん!辛いだけなのに何が楽しいのよー」
「辛いだけじゃないよ!目が合ったりするだけで嬉しくなるし、自分磨きするのも楽しい!」
そう教えてくれる香苗は
本当に楽しそうだった。
「ほほう、さては香苗、恋をしてますな?」
そう言うと香苗は顔を赤くした。
「えっ、わかっちゃう?」
「そりゃあもう。すごく楽しそうだもん。誰なのよー、教えなさい!」