女子やってます
澪side
「「「キャー!桃井くん、おめでとう!」」」
「「「可愛ーい!」」」
文化祭が終わった途端このザマだ。
俺は今、女子に囲まれている。
…早く散ってくれ。
俺は千聖を探さなきゃいけねーんだ。
ちょっと女子に足止めを食らって、
教室に行ったときには千聖と裕介はいなかった。
ったく、千聖は鈍感すぎんだ。
あと、もっと危機感を持て。
なんであんな狼と二人きりになるんだよ。
「ありがとう。僕、帰るね」
そう言って女子の間から
千聖を探しに校舎を出た。
「レイ」
昇降口を出たところで
聞き覚えのある声に呼び止められた。
「…マリア。まだいたんだね」
「うん、一緒に帰りたくて。
ていうか、ホテルに泊まってるんだけど、お金かかるしレイの家に泊まっていい?」
なんで家に千聖以外を泊めなきゃいけねーんだよ。
でも、わざわざオーストリアから来てくれたんだしな。
「…いいけど。
千聖も一緒に帰りたいんだ」