女子やってます
♀ デートと拉致事件 ♂
千聖side
あれから1週間。
澪とあたしはお互いがお互いを避けていた。
(やっぱ…あたしと一緒にいるとマリアさんに後ろめたいからかな…)
「ねぇ、千聖。聞いてる?」
「あ、うんなんだっけ」
もー、ボーッとしすぎ、と頬を膨らませる香苗。
今は昼休み。
あたし達は屋上の日陰に座って暑さに耐えていた。
「あんた最近どっか行ってるわよ?
どうせ桃井くんのことで悩んでるんじゃないの?」
「げっ…なんでわかるの」
「そりゃ、あのマリアって人が文化祭に来てから桃井くんばっか見てるもの」
そんなにわかりやすかったの、あたし…。
「わかりやすすぎよ。何があったのよ…」
うっ…別に、あたし達の仲だし言ってもいいよね…。
「実は…あたし澪のこと好きみたい」
すると香苗はすごく食いついてきた。
「ええ、ほんと!?告白の予定とかはある?」
「告白は…しないよ。
マリアさんと澪、付き合ってるし」