女子やってます
ここから最寄駅まで行くには繁華街のすぐ近くを通る。
ネオンで輝く街。
そんな街が好きではなくてつい早歩きになってしまう。
「なぁー、カナエちゃんー?ちょっとくらいいいだろー?」
ふと、こんな声が聞こえた。
カナエ…?
繁華街のほうに振り向いた。
そしたら…
「香苗!!」
そこには厳つい男の人に連れていかれる制服姿の香苗がいた。
「千聖…?」
香苗がこちらを向く。
「なに、友達ー?お、なかなかいいじゃんー」
は、ちょっとなによ…
あんた達より香苗が…
「香苗、なんでこんなとこにいるのよ。
早く帰るよ!」
香苗はあたしから視線を逸らした。
「ごめん…私はいいから帰って」
…は?
頭を殴られたような衝撃を受けた。
「なに…香苗は望んでこんなところにいるの?」
嘘だよね…嘘って言って欲しい。
「そうだよ」
なに言って…