女子やってます
聖矢はその事実を知ったときから医者になると言い出した。
「そんなチートな医者がいたら父さんの二の舞だから」いろんな人を救いたい。
でもまさか、聖矢の原動力が、
この吾妻さんのお父さんだったなんて...。
「帰ってください!!今更何しに来たんですか。金を使っても父さんは帰ってこない!
ねーちゃん、帰るよ」
「聖矢…吾妻さん…」
あたしは踵を返して聖矢と家に入った。
「ごめんね、聖矢。
受験近いのにモチベーション下がったよね」
「大丈夫。てか、より闘争心湧いたからいい」
そうなのか…弟よ、すごいな。
「それよりあの人にはあまり近寄らないでね!あの人なライバルなんだから!」
「でもバイト一緒なんだよ…」
「それはねーちゃんの心掛け次第だから!じゃあ塾行ってくるね」
吾妻さん自身が悪いとは思わない。
でもライバルならそっとしといてあげよう。