女子やってます


精一杯の強がりだった。


マリアを振り返る勇気もなくて
俺はそのまま帰った。

マリアは呼び止めることはなかった。




次の日、俺は屋上に佐久間さんといた。


「佐久間さん、もう12月だね」

「…で?」

「屋上はやっぱり寒いね」

「だから?」


……機嫌悪い?


「どうせ千聖のことでしょ?なに?文句言いに来たわけ?」

「うん、そうだよ」

「うん、そうだよってあっさり…」


だって本当なんだよ?
言いたいことは沢山あるんだ。


「佐久間さんは…千聖の何を知ってるの?」

「なによ、いきなり。そりゃ2年も一緒にいるし色々知ってるわよ」


そうか、二人の付き合いはまだ2年なんだね。


「じゃあ千聖がなんであんなに必死になってバイトしてるか聞いたことある?」

「…ない」


やっぱり千聖らしい。


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