ツンデレ専務と恋人協定
誘われた瞬間は嬉しかったけど、今の専務の一言でちょっと落ち込んでしまった。

だけど、明日も専務と会いたいと思ってしまう。


「わかりました」


専務は明日迎えにくると言って帰っていった。

私は部屋に入り、そのままベッドの上に寝転がった。

専務は私のこと契約の相手くらいにしか思っていないだろうな。

食事やデートに行くのも契約のひとつだと思ってるんだ。

当たり前のことなのに、そう思うと悲しくなるのはやっぱり私は専務が好きらしい。

ベッドから起き上がり、明日の服を選ぶことにした。

いつもスーツの専務も明日は私服だよね。

クローゼット中を開いて、最近服を買っていないことに気づいた。

仕事へは初出勤の日に専務に買ってもらった服を着回して行ってるし、休みは最近部屋の中で勉強してるくらいだったからな。

クローゼットの中をあさり、あれやこれやと悩んだけどなかなか決まらない。

今日会った百合香さんは白いワンピースを着ていて、清楚な感じだった。

ワンピースなんてもっていない私は唯一お姉ちゃんが夜の仕事をしていた時に着ていて、高かったから捨てられないって言って貰った花柄のワンピースの存在を思い出した。

クローゼットの奥からそれを取りだし着てみて、明日はこれにカーディガンを羽織って出かけることにした。


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