ツンデレ専務と恋人協定
翌日、散々悩んで決めたワンピースを着て、専務から連絡を来るのを待っていると電話がかかってきた。

そして、もうすでにマンションの下で待っているらしくて私は急いで部屋を出た。


「お待たせしました」

「ほら、乗れ」


専務は助手席のドアを開けてくれ、私はエスコートされて車に乗り込んだ。

専務も運転席に乗り込み車を出発させる。


「行きたいところとかあったか？」

「いえ、考えてなかったです」


いつもどこかへ行くときは専務が決めてくれていて、私の意見なんか初めて聞かれた。


「じゃ、海か空どっちがいい？」

「海か空ですか？海ですかね？」


訳のわからない質問に首を傾げながら答えた。


「海だな。了解」


専務はそう言って、車を１時間ほど走らせて海へと連れてきてくれた。

まだ海で泳ぐには少しだけ早い季節だけど、それでもこの数年は仕事仕事で海へ行けてなかったから嬉しい。

海辺を歩いたり、砂浜で座って語り合ったりするのかと思っていたら、クルーザーに乗せられた。

専務がお金持ちだと言うことを忘れていた。

もしかして、空って答えていたらヘリコプターや飛行機に乗せられてたんじゃないかと思う。


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