ツンデレ専務と恋人協定
「またいつでも連れてきてやるよ」

「え?」


小さい声で言ったのに聞こえてたのか専務がそう言った。


「次はヘリで空からの夜景見せてやる」

「契約の彼女なのにそんな贅沢させてもらっていいのかな」


専務と契約していなかったら、こんなクルージングのデートもヘリコプターに乗ることもなかったと思う。


「契約やめるか?」

「え?」


一瞬聞き間違えたのかと思った。

だって、さっきはいつでも連れてきてくれるって言ってくれたばかりなのに。

だけど、専務の今の言葉は私みたいにポツリと小さい声で言ったわけじゃなくて、私を見てはっきりと言っていた。

いつかはこう言われる時がくるってわかっていたのに、まだ覚悟ができていなかったみたい。

自然な表情でいられなくてショックが隠すことができない。

だけど、契約なんだからどちらかが解除を求めればそこで終わりなのは理解している。


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