ツンデレ専務と恋人協定
お姉ちゃんはゆっくりと話出した。


「春樹が友達の借金の連帯保証人になっていて、その友達が逃げて春樹が返さなきゃいけなくなったの」

「え？」

「春樹は今その友達を探しに出かけてるんだけど、きっと見つからないよ」

「その借金って一体いくらなの？」


私も前の会社の退職金と専務との契約でもらったお金の貯金がある。

最悪、その友達が見つからなかったらその貯金で返せればいいんだけど。


「１千万円」

「いっ、千万？」


金額の大きさに驚いた。
私の貯金を全部その借金の返済に当てたところで半分も返せない。

私とお姉ちゃんは、春樹さんがその友達を見つけ出してくれることを願って家で待っていた。

お姉ちゃんの家に来て１０時間ほどたったころに、春樹さんは疲れた顔をして帰ってきた。


「春樹！どうだった？」


お姉ちゃんは帰ってきたばかりの春樹さんに詰め寄ったけど、春樹さんは首を左右に降った。


「愛奈、ごめん」


春樹さんのお姉ちゃんに謝った声は暗すぎて、こんな春樹さんの声は初めて聞いた。

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