ツンデレ専務と恋人協定
会社へ出勤したものの、ずっとお姉ちゃんたちのことが気がかりで不安な気持ちで過ごしていた。


「栞奈、今日終わったら時間あるか?この前の返事を聞かせてほしい」


専務にまとめた資料を持って行ったらそう言われた。

昨日から借金のことばっかり考えていて、専務に考えておけって言われたことをすっかり忘れていた。


「すみません、今日はちょっと…」


専務には申し訳ないけど、今日はお姉ちゃん家に行きたいし、それに恋愛のことを考える余裕もない。


「なら明日は空けとけ」

「明日ですか?」

「何だよ明日も都合悪いのかよ?」


都合が悪いわけじゃないけど、正直それどころじゃないって言うのが本音だ。

だけど、専務に今の私の状況も話づらいし断る理由が思い浮かばない。


「わかりました。明日空けときます」


私は悩んでいたけど、専務にそう答えた。

専務も私の返事を待っていてくれてるだろうし、あまり待たせることはできないよね。

恋愛どころではないんだけど、私の気持ちはもう決まっているし、明日ちゃんと伝えよう。



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