ツンデレ専務と恋人協定
そのあとも専務は何故お金がいるのかも聞いては来なかった。

私は強めのカクテルを飲んでいたせいか、借金のことで悩んでいて疲れていたせいか酔っぱらってしまった。


「お前、もう飲むな。止めとけ。タクシーで帰れ」

「やだ!帰らない」


もう目も開けてるのが困難で、半分以上目蓋が落ちてきていた。


「酔っ払いすぎだろ!」

「すみません。だけど、帰りたくない」


この日の私の記憶はここまでしかなくて、翌朝起きたらホテルのベッドの上だった。

間違いなく昨夜は専務と一緒で、酔っぱらって帰りたくないって言ってたことまでは覚えているけど、どうしてこの部屋までやってきたのかは覚えていない。

ベッドで思い出そうとしてると、シャワーを浴びていたらしい専務がバスローブを着て、髪の毛をタオルで拭きながら私の前へ表れた。

私はベッドから勢いよく起き上がったけど、二日酔いなのか頭に痛みを感じた。


「起きたか?」

「すみません、私…あまり記憶なくて」


昨日の服のままベッドに寝ていたから何もなかったのはわかる。

だけど、絶対専務に迷惑かけたよね。


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