ツンデレ専務と恋人協定
「李人が仕事をやりはじめてあなたには感謝していたのに、裏切られたわ」

「申し訳ございません」


言い訳できることもなく、頭をさげることしか出来ない。


「私があなたを許すことはないわ。わかったら、李人と上手に別れてちょうだい」


私は何も言うことができず、会長室を出ていった。

会長が私に言ったことは理解できる。

全て自分がやってきたことが招いたことだ。



仕事が終わり、専務に個室のある割烹料理のお店に連れてきてもらった。

個室だから話せると思って、この店を選んでくれたのかもしれないけど、静かすぎて話ずらさを感じる。

だけど、専務も待ってくれているだろうし話さないわけにはいかないと思い、自分から話を切り出すことにした。


「専務、この前の返事なんですけど…」


私がそう言うと、専務はグラスのお酒を一口だけ飲み、それをテーブルに置くと黙ったまま私を真っ直ぐ見てきた。


「ごめんなさい！専務とお付き合いはできません。お金は必ずお返しします」


会長に上手に別れてと言われたけど、私はストレートに言うことしかできない。


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