ツンデレ専務と恋人協定
私たちはしばらくいろんな話をしながらお酒を飲んでいた。

そして、私の終電の時間が近づきバーを出た。

駅へと向かう夜道を歩きながら、専務にすごく会いたくなった。

本当に借金を全て返し終えたら、専務のこと好きだって伝えてもいいかな?

何年先になるかわからないけど、今はその希望だけで頑張れそうな気がする。


終電を乗り家へと帰ってきて、常務のことを考えていた。

百合香さんの話が本当なら、常務が私を秘書にしたのも、付き合おうと言ってきたのも何か考えがあってのことかもしれない。

こんなこと誰にも話せないし、しっかりと自分で気をつけないと。


だけど、百合香さんが最後に私に言った言葉がすごく気にかかる。

“海里も寂しい思いをしてる”って言っていた。

そうなのかもしれないけど、嘘は許されることじゃない。

常務の嘘で私や専務や百合香さんだけじゃなく、きっと常務も傷ついたと思う。

だから、もう嘘は言わないでほしい。

私も専務との契約恋愛で会長に嘘をついたことをすごく後悔している。


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