ツンデレ専務と恋人協定
夜になり、常務とタクシーを乗り会食のお店へと向かった。

今夜のお店は和食のお店で、畳の個室へと案内された。

ロバートさんはまだ来ていなくて、常務と隣に座り来るのを待っている。


「常務、朝より顔色が悪くなってますが大丈夫ですか？」

「風邪かな？自己管理していたつもりが」

「私、薬持ってます！ちょっと待ってください」


鞄を開け薬を入れているポーチを探していると、いきなり常務の腕に包まれるように抱きしめられた。

驚きすぎて何が起こったのか理解できない。


「……常務？」

「李人より先に出会いたかった」

「えっ？」


常務の言葉に動揺していると、静かに音をたて襖が開いた。

……えっ？

やってきた人は私たちのこの状況を見て、立ち尽くしたまま睨み付けてくる。


「李人、遅かったな」


常務は何も動揺していないのか、私から腕を離すといつもと変わらない口調で言う。

やってきた専務に何か言われるかと思ったけど、専務は黙って私たちの前へと座った。

私の頭は混乱したままで、ロバートさんとの会食のはずなのに専務がどうしているのかもわからないし、常務がどうしてあんなことをしたのかもわからない。

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