ツンデレ専務と恋人協定
「そうだな。本当は結婚してぇけど」

「え？けっ、結婚？」


同棲だけでも驚いてるのに結婚だなんて、信じられないよ。


「……結婚するか？」

「ぷ、プロポーズですか？」

「だな」


専務の顔を見ると真剣そのもので、からかわれているようには見えないし。

昨日やっと好きだと伝えられたばかりの私は正直困ってしまった。


「……そんな困った顔するなよ。待つ覚悟はできてる」

「え？」

「どうせ栞奈のことだから、借金を返し終わるまでは結婚しねぇって言うのはわかってる」


いきなりのプロポーズで驚きすぎて、冷静に考えられなかったけど、専務の言うことは図星な気がする。

結婚をしたいとか考えたことはこれっぽっちもなかったけど、もしもいつか専務と結婚とか考えるときがきたら借金を返してからだと思う。


「だから、同棲な？次の休みは出張で日本にいねぇから、その次の休みに部屋探しに行くぞ」


専務は一方的にそう言ったかと思うと、私の返事も聞かずに食事を口に運んでいる。

私はというと、頭の中がぐちゃぐちゃで食事の味なんてさっぱりわからなくなってしまった。


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