ツンデレ専務と恋人協定
専務が話してくれた話は百合香さんから聞いた話を同じ内容だった。
留学先で百合香さんと付き合いだしたことも、百合香さんが秘書になり、結婚を考えていたことも。
そして、百合香さんがヒカリのためにロバートさんと関係したことも知っている通りだった。
だけど、専務の気持ちは初めて知った。
「俺は俺を裏切った百合香を恨んだ。会社のためだとわかってるけど、プロポーズした日にあいつは俺を裏切ったんだよ。許せないと思った」
さっきは見れなかった専務の顔を、今は瞬きすることも忘れて見てしまっている。
「あいつは俺が許す前に俺の前からいなくなって、余計に許せなくなったよ。それからはもう人を信じねぇとも思ったし、女を売った会社なんかどうにでもなれって思ってた」
傷ついた専務を想像するだけで胸が苦しくなった。
「でもお前を見てたら、栞奈なら信じられるかもと思った」
「え?私ですか?」
「お前に出会ったのは2年くらい前だけど、どうせお前は知らねぇだろ?」
2年前?
そんなの知らない。
私と専務が出会ったのは私が前の会社をクビになった時で、あれからまだ4ヶ月しかたっていない。
留学先で百合香さんと付き合いだしたことも、百合香さんが秘書になり、結婚を考えていたことも。
そして、百合香さんがヒカリのためにロバートさんと関係したことも知っている通りだった。
だけど、専務の気持ちは初めて知った。
「俺は俺を裏切った百合香を恨んだ。会社のためだとわかってるけど、プロポーズした日にあいつは俺を裏切ったんだよ。許せないと思った」
さっきは見れなかった専務の顔を、今は瞬きすることも忘れて見てしまっている。
「あいつは俺が許す前に俺の前からいなくなって、余計に許せなくなったよ。それからはもう人を信じねぇとも思ったし、女を売った会社なんかどうにでもなれって思ってた」
傷ついた専務を想像するだけで胸が苦しくなった。
「でもお前を見てたら、栞奈なら信じられるかもと思った」
「え?私ですか?」
「お前に出会ったのは2年くらい前だけど、どうせお前は知らねぇだろ?」
2年前?
そんなの知らない。
私と専務が出会ったのは私が前の会社をクビになった時で、あれからまだ4ヶ月しかたっていない。