ツンデレ専務と恋人協定
「お前の姉ちゃんの店、よく百合香と行ってたんだよ。その頃にひとりで飲んでる栞奈を見かけて、やたらと“義理と人情”って言ってて面白いやつだなって思った」
義理と人情は口癖だけど、まさか専務に聞かれていたなんて。
「その後も何度か栞奈を見かけたけど、そのたびに義理と人情って言ってた」
何度も専務とお姉ちゃんの店で会っていたなんて本当に驚きだ。
全く気づいていなかった。
「だから、偽の婚約者に栞奈を選んだ。お前みたいなやつだったら裏切らないんじゃないかって思った」
たまたま私を選んだんだと思っていた。
無職になったばかりの私がタイミングよくいたから、契約相手に選ばれたんだとばかり。
「そこからはすぐに栞奈を好きになった」
「え?」
いきなりで驚きだけど、嬉しくて自然と表情が緩んでいく。
「栞奈の一生懸命なところとか、ばか真面目なところとか。そんなお前見てたら、百合香のことも考えなくなって、今じゃ百合香が他の誰かと幸せになってくれたらいいとまで思ってる」
専務が私を本気で思ってくれているのはわかっていた。
だけど、直接専務の口から百合香さんのことを聞きたかった。
「だから栞奈が不安に思うことはない。けど…」
けど…?
「お前って本当に焼きもち妬くんだな」
専務はそう言って、クスクスと笑う。
義理と人情は口癖だけど、まさか専務に聞かれていたなんて。
「その後も何度か栞奈を見かけたけど、そのたびに義理と人情って言ってた」
何度も専務とお姉ちゃんの店で会っていたなんて本当に驚きだ。
全く気づいていなかった。
「だから、偽の婚約者に栞奈を選んだ。お前みたいなやつだったら裏切らないんじゃないかって思った」
たまたま私を選んだんだと思っていた。
無職になったばかりの私がタイミングよくいたから、契約相手に選ばれたんだとばかり。
「そこからはすぐに栞奈を好きになった」
「え?」
いきなりで驚きだけど、嬉しくて自然と表情が緩んでいく。
「栞奈の一生懸命なところとか、ばか真面目なところとか。そんなお前見てたら、百合香のことも考えなくなって、今じゃ百合香が他の誰かと幸せになってくれたらいいとまで思ってる」
専務が私を本気で思ってくれているのはわかっていた。
だけど、直接専務の口から百合香さんのことを聞きたかった。
「だから栞奈が不安に思うことはない。けど…」
けど…?
「お前って本当に焼きもち妬くんだな」
専務はそう言って、クスクスと笑う。