ツンデレ専務と恋人協定
家族に認められた恋
朝目覚めると、私の狭いベッドに専務とふたり抱き合うように眠っていた。

専務の腕に包まれるように抱き合っているけど、どうしてこうなったのか記憶がない。

昨夜、お風呂から上がり、キスをしていたところまでは覚えてる。

その後、ヤっちゃったのかな?
だけど、どうして記憶がないの?

いくら思い出そうとしても、何度もキスを繰り返していつの間にか体勢が入れ代わり、専務が私を上から見下ろしていたところで止まってしまう。


「……栞奈」


思い出せずにいると、隣で眠っている専務が私の名前を呼んだ。

だけど、専務はぐっすり眠っているみたいで、どうやら寝言らしい。

私はそれが嬉しくて、専務の胸へと顔を埋める。

専務の匂いとぬくもりに包まれているだけで、心があったかくなって身体中に染み渡るものを感じる。

これが幸せっていうものなのかもしれない。


埋めていた顔をあげ、そっと専務の唇にふれるだけのキスをした。

専務と何度もキスをしたけど、自分からしたのは初めてだ。

いつの間にかこんなにも専務のことが大好きになっている。

出会ったころは最低だとさえ思ったことのある人なのに。


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