ツンデレ専務と恋人協定
「出勤されたら珈琲をもっていって、あとはお呼びが掛かったら行って用件を聞くくらいかな。でも特にお呼びもかかることはないと思うけどね」


なんかもっと秘書の仕事って大変だと思っていたけど。


「だから専務に専属秘書っていなかったんだけど。仕事をするわけじゃないのに急に専属秘書を置くってどうしたのかな」


契約のことは口が裂けても言えないな。

だけど仕事をするわけじゃないってどういうことだろう?


「あの、麻生専務はどういう人ですか?」

「顔はいいんだけどね。仕事にはやる気なくて皆から“何にも専務”って言われてるの」


何にも専務…。
すごい言われ用だな。

だけど、何でそんな人が専務なんかでいられるの。


「まあ、会長の息子だから誰も何も言えないんだけど」

「会長の息子!?」


息子だったの?
だから昨日あんな口の聞き方をしても許されたのか。

って事は、自分の母親を騙したってこと?
そんなこと知らなかったから契約に乗っちゃったよ。

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