ツンデレ専務と恋人協定
ホテルの人に電話で起こされた私はシャワーを浴び、髪も乾かさず控え室へと急いだ。

このホテルで結婚式をすることになっていて良かったよ。

控え室へ入ってからも、慌ただしくメイクとヘアセットをしていると、タキシードを着た専務がやってきた。

スタッフの人たちは気を使ったのか、控え室から出ていって、専務と二人っきりになった。


「……栞奈」

「どう、かな?」


ウエディングドレスをが選ぶって言ってくれてたけど、結局専務は忙しすぎて、私がひとりで選んだ。

だから、ウエディングドレス姿を専務に見せたことがなかったから、どんな反応をされるか少し緊張してしまう。


「…ヤバいな。誰にも見せたくねぇ」

「これから私たちの結婚式なのに」


専務が真面目な顔でそんな事を言うから、思わず笑ってしまう。


「栞奈」


名前を呼び、私のおでこにキスを落とすと、優しい瞳で私を見つめる。


「俺の全てをかけて約束する」

そう言って、私の左手を掴みぎゅっと握る。





「幸せにする」






この日私たちは、家族や友達、そして神の前で新たな愛の契約を結んだ。










ーENDー








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