ツンデレ専務と恋人協定
専務はブランド物のスーツで確かにお洒落だけど、こんなに何度もダサいって言わなくてもいいじゃない。


「何怒ってんだよ?買ってやるって言ってんだから、大体の女は喜ぶのに」


え?買ってくれる気だったの?

いや、だけど専務に買ってもらう理由なんてないよ。


「ほら、早く試着してこい」

「え、いいですよ!買ってもらう理由ないですから」

「理由ならある。就職祝いだ」


就職祝い…。
嬉しくないわけじゃないけど、誰かに物を買ってもらうことに慣れていないから気をつかうよ。


気をつかう私をよそに専務は服だけじゃなく、鞄や靴までかってくれた。


「こんなにたくさんありがとうございます」

「ああ、無理やり付き合わせてるしな」


「え?」

無理やり付き合わせてるって、もしかして秘密の契約のこと?


「帰るぞ」

専務はそれ以上何も言わなかった。

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