ツンデレ専務と恋人協定
翌日、少し二日酔いで頭痛のする私は出勤して頭を抱えていた。

コンペどうしようかな?

出来レースなら参加しても仕方ないのに、辞めますとは簡単にいかないよ。

ここ数日コンペのことばかり考えてたから、どうしていいかわからない。


「おい!挨拶もなしか」


えっ?
声が頭の上から落ちてきて、私はデスクから頭を上げた。

声でなんとなくわかっていたけど、やっぱり専務が私の目の前にいる。

私は思わず自分の腕時計で時間を確認してみたけど、朝の8時すぎで間違いない。

「どうしたんですか!こんな朝早くから」


私が専務の秘書になって数週間、専務がこんなに早い時間に出勤してきたのは初めてだった。


「だから挨拶しろよ」

「あ、おはようございます」

「ああ、珈琲頼む。それから資料室から過去のコンペの資料を持ってきてくれ」

「えっ?」


専務から何か資料を持ってきてくれと頼まれたのは初めてで驚く。


「専務なら何とかするべきなんだろ?何とかしてやるからお前は頑張ってコンペに出ろ」

「…専務」

「あ、言っておくけど、優勝しか許さねぇからな。俺の女がコンペで笑い者にされんなよ」



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