ツンデレ専務と恋人協定
「専務に秘書検定についても力になるように言われてるから、何でも聞いて」

「何で、専務が秘書検定受けること知ってるんですか?」

「さあ?それは知らないけど、私は専務から聞いたわよ」


デスクの上に秘書検定に関する本とか置いていたから知っていてもおかしくないかもしれないけど。

専務が私のことをちゃんと見ていてくれたなんてちょっと意外だ。

それに主任にそんなふうに私のことを頼んでくれていたなんて。


コンペの件といい、主任を私のサポートにつけたことといい、専務は私のことを考えてくれているようで嬉しい。


「主任、私もっと頑張るのでよろしくお願いします」

私はそう言って主任に頭をさげるとクスクスと笑われた。

どうして笑われているのかわからず首を傾げて主任を見る。


「里田さんのそういう真っ直ぐなところに専務は惹かれたのかな?」

「え?」


主任と話していると専務が部屋から出てきて、ふたりして慌てて専務に視線を向ける。


「これ、中に入ってる住所のとこに届けて」


専務はそういって大きな封筒を私に差し出してきた。


「はい」

「遠いからそのまま直帰してくれていいから。それから宮尾さんは出張のことで話あるからちょっと来てくれる?」


専務はそう言うと、部屋に入ってしまい主任も後を追って入っていった。


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