ツンデレ専務と恋人協定
「まあ、そのお詫びって言っちゃなんだがレストラン予約してある」

「え？」


専務はかなり気にしていたのか連れていかれたのは、一流ホテルの高そうなレストランだった。

こんな場所に慣れない私はおどおどしながら専務についていく。

専務は慣れてるのがわかるくらいスマートでカッコいい。


「適当に頼むぞ」

「はい」


席に案内され、メニューを渡されると専務はそう言ってきたけど、私はメニューなんて見てもわかりそうもないしむしろ勝手に頼んでほしい。


「お前、肉か魚どっちがいい？」

「お肉」


こんな乱暴な聞き方も専務の優しさなのかなって思った。

長くて難しい名前を言われても私はきっと理解できないだろうし。

前も一緒に食事に行ったときもこうやって料理を頼んでくれたけど、その時は優しいだなんて思わなかった。

前の時は強引だなって思ったのに、今日は専務の優しさがわかる。


料理を頼み終わり専務と話していると、常務がやってきた。


「李人、栞奈さん、お疲れ様。二人でデート？」

「いえ、デートってわけじゃないです」


私の前に座る専務は常務を睨み付けて答えようとしないから、私が代わりに答えた。

< 77 / 232 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop