ツンデレ専務と恋人協定
そうだった。
常務は今回のコンペの審査委員だった。

本当は最終審査もだったんだけど、専務が出来レースを阻止するために最終だけ審査委員が変わったんだ。

そこからコンペの話とかをしながら、コース料理とワインを堪能してレストランを出ることになった。


「栞奈さん、また会社で。コンペも頑張ってね」

「はい、ありがとうございます」



常務とはレストランを出てホテルのロビーで別れた。


「専務、ご馳走さまでした。ありがとうございます」


3人分の食事代を払ってくれたのは専務だった。


「お前、ふざけんなよ」


やっぱり怒られるよね?
食事中もずっと不機嫌だったし。


「すみません」

「デートじゃないだ?デートじゃなかったら何だよ?」


怒ってるのってそこ?
勝手に常務も一緒に食事をするのをOKしちゃったからじゃなくて、デートじゃないってつい言ってしまったことに怒ってるの?


「言ってみろよ?」

「えっと、お詫びの食事?」


専務がそう言ってたもんね。
デートだなんて言われていない。


「デートだってこと思い知らせてやるよ。ついてこい」


専務はそう言い、ホテルのエレベーターへと乗り込み、上の階へとやってきた。

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