ツンデレ専務と恋人協定
翌日、専務は出張から帰ってきた。

空港からそのまま直帰のはずの専務は会社へとやってきた。


「専務、どうして会社に?」

「お前はおかえりくらい言えねぇのかよ」

「おかえりなさい」


専務の顔を見ると何故か安心した。

私を悩ませてる張本人なのに、なんかおかしい気もするけど、本当に心が和らぐのを感じた。


「俺がいない間何かなかったか?」

「特に何もないです」

「お前、浮気してねぇだろうな?」


一瞬、常務の顔が浮かんだけどあれは浮気なんかじゃない。

食事は断ったし、話も会社でしたんだから仕事みたいなもんだよね。


「してませんよ!」


否定する私の顔を専務は疑っているのか覗き込んできた。


「お前、疲れた顔してんな?今日は送ってくから一緒に帰るぞ」

「え?」


一緒に帰るって言ったって定時の時間までまだ2時間はある。


「課長に、俺に急用を頼まれたとでも言っとけ」

「そんなの駄目ですよ」

「なら俺が課長に言ってきてやる」


私はそう言う専務をひき止めて自分で課長に言って、会社を出た。


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