夢幻泡影

「山崎。」

「はい。」

「さっきの奴を調べてくれ!」

「御意!」


〝あいつは、はじめての奴でもあんな風に誘いを断らないはず、きっと平隊士の吉田を知っていて避けたんだ〟

土方はそう考えた


買い物へ行く吉田を山崎が尾行する


吉田は、寄り道をした…そこで


「あの女、新選組にいたぞ!」

「なに?生きていたか!!」


そんな会話をしていた

山崎はすぐに屯所へ帰り、土方に報告する


「そうか……やはりな。」

山崎の報告を聞いてどうするか動きを考えていた。


「山崎。総司と永倉が巡察から帰って来てるはずだ。呼んでくれ!」

「はい。」



一方、瑛は屯所の庭を掃除していた



そこへ、吉田が現れた


「俺を覚えてる?」



瑛は構わず掃除を続ける



「お前…幹部に抱かれてんのか?」



瑛の手が止まる




「汚い女だ。」





吉田が瑛に近づく




「お前のせいで皆が汚れるんだ!」



「死ね…」





瑛が持っていた箒から手を放す

カクンと座り込む





吉田が刀を抜きながら、瑛に近づいていく






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