夢幻泡影
翌朝
瑛は、早起きして朝餉を作った
たまたま当番の平隊士が寝坊して、全員分の朝餉を一人で作り上げた
「あの……ありがとうございました。」
瑛はそのまま洗濯をするため井戸へ
広間では
「ん?今日の朝餉うめーな。」
「うまい!腕上げたな!!」
口々においしいと言う
「あっ…俺。寝坊して……すみません!」
「え?誰が作ったんだ?」
「あのお嬢さんです。」
!!!!!
「え?起きてるの?」
「はい。今日の朝餉はすべてあのお嬢さんが作ってくれました。」
朝餉を食べて、瑛を探す幹部たち
洗濯物は干し終わっているのに
瑛がまだなにかをゴシゴシと洗っている
最初に近づいた原田が瑛の手を掴む
「真っ赤じゃねぇか!!」
『見られた!!』
原田の手から離れ、再び洗濯板に手をこすりつける
「やめろ!!」
『落ちない……』
土方の止める手をのけ、ゴリゴリと強くこする
「やめねーか!!」
『あたし…汚い。』
手についた水が真っ赤な血に見えている
原田は、手が赤いと言ったが、瑛は原田に血を見られたと勘違いした
永倉が強引に両手を掴む
「朝餉、おいしかった!ありがとな!手を怪我したら、料理できないだろ?
もう、綺麗になってるから、見てみろ!」
永倉に言われて手を見る
『あ。ほんと……落ちてる。』
斉藤が瑛の頭を撫でる
「綺麗な手に傷がついたら大変だよ!」
藤堂がサッと盥を片付ける
「手荒れに効く薬塗ったる、あの縁側に座り!」
山崎が薬を出す
皆で縁側へ
瑛は手を見つめたまま
近藤は瑛の肩を抱き、肩をトントンする
『あたし…愛されている?』
山南が近藤の反対側に座り、瑛の手を握る
「大丈夫だからね!」
山崎が瑛に薬を塗る
薬が手にしみた。瑛の心もしくしくと痛んだ
『また、心配かけたんだ……強くならなければ……汚いあたしは捨てられるかもしれない。』
瑛は、早起きして朝餉を作った
たまたま当番の平隊士が寝坊して、全員分の朝餉を一人で作り上げた
「あの……ありがとうございました。」
瑛はそのまま洗濯をするため井戸へ
広間では
「ん?今日の朝餉うめーな。」
「うまい!腕上げたな!!」
口々においしいと言う
「あっ…俺。寝坊して……すみません!」
「え?誰が作ったんだ?」
「あのお嬢さんです。」
!!!!!
「え?起きてるの?」
「はい。今日の朝餉はすべてあのお嬢さんが作ってくれました。」
朝餉を食べて、瑛を探す幹部たち
洗濯物は干し終わっているのに
瑛がまだなにかをゴシゴシと洗っている
最初に近づいた原田が瑛の手を掴む
「真っ赤じゃねぇか!!」
『見られた!!』
原田の手から離れ、再び洗濯板に手をこすりつける
「やめろ!!」
『落ちない……』
土方の止める手をのけ、ゴリゴリと強くこする
「やめねーか!!」
『あたし…汚い。』
手についた水が真っ赤な血に見えている
原田は、手が赤いと言ったが、瑛は原田に血を見られたと勘違いした
永倉が強引に両手を掴む
「朝餉、おいしかった!ありがとな!手を怪我したら、料理できないだろ?
もう、綺麗になってるから、見てみろ!」
永倉に言われて手を見る
『あ。ほんと……落ちてる。』
斉藤が瑛の頭を撫でる
「綺麗な手に傷がついたら大変だよ!」
藤堂がサッと盥を片付ける
「手荒れに効く薬塗ったる、あの縁側に座り!」
山崎が薬を出す
皆で縁側へ
瑛は手を見つめたまま
近藤は瑛の肩を抱き、肩をトントンする
『あたし…愛されている?』
山南が近藤の反対側に座り、瑛の手を握る
「大丈夫だからね!」
山崎が瑛に薬を塗る
薬が手にしみた。瑛の心もしくしくと痛んだ
『また、心配かけたんだ……強くならなければ……汚いあたしは捨てられるかもしれない。』