夢幻泡影
土方の部屋へ行けば、いつでも紙と墨が使えると思い土方の部屋へ行った


一番に名前を教えてもらえた土方の喜びは、大きかった


「瑛!ありがとよ!」


首を傾げる


「よし!皆にも見せてやるぞ!!」


頷く


「隠しとけよ!俺が言ったら出せよ!脅かそうぜ!!」


楽しそうに、意地悪く言う土方に瑛は


『子供みたい……』


少しあきれた



広間で、近藤が改めて新年の挨拶から、今年の抱負を語る


「こい!」


解散になる前に土方が瑛を前に呼ぶ


本来、女中がこの場にいるのも、おかしなことだが、瑛の存在は新選組の隊士たちには癒しになっていた


全員がどうしたのかと、不安な顔をする


「だせ!」


瑛が紙をだし、ひろげる


「こいつの名前だそうだ!」


「「「 !!!!!!!! 」」」


瑛がぺこりとお辞儀をする


「瑛!」

呼ばれて近藤を見る

「瑛!」

近藤の近くへ行く

「瑛!」

近藤に、勢いよく抱きしめられる


「う゛ぐぇ」


瑛から気持ち悪い声がでた


「瑛が苦しがってるだろうが!!」



土方に助けられた

新選組が初めて聞く瑛の声だった






『こんなに喜んでもらえるなら、もっと早くに教えたらよかった……
お千さん…あたしが…笑えたらもっと喜んでもらえるかな?』

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