夢幻泡影
屯所の生活にも、女中の仕事にもすっかり慣れた


今日は、永倉と原田に荷物持ちをさせ、買い物をしている


「瑛-。後何買うんだ?」

『んーーーー。』

「瑛ーー?」

『ない……かな?』

首を横に振る


「ないのか?」


頷く


「なら、つきあえ!!」

二人はぐんぐん瑛を引っ張る


『ほんと…強引……』


引きづられるようにやってきたのは


呉服店



「選べ!」

『は?』 首を傾げる


「好きなの選べ!」

『もしかして……』


「俺たちが買ってやる!」


『どうしたの? 風邪?いや、馬鹿は風邪ひかない!!』

二人をジロジロ見る


「瑛!いいから!選べ!」



『お腹痛いのかな?それとも、お腹すいた?
ていうか……買って貰うとか悪いよ!!』



「だーーー!!おーい!」

女店主がでてくる


「こいつに似合うの選んでやってくれ!」



女店主にずるずると奥へ連れていかれた


紫色の大人っぽい着物で瑛がでてくる


「「 //////// 」」


『えーと……似合わない?』


永「いい!いい!かわいいぞ!!」

原「うん!ちったあ色気がでたな!!」


二人に着物を買ってもらえて、誉められて

嬉しかった


「・・・・・」
〝ありがとう〟



にこっ



「「 瑛!! 」」



首を傾げる



「「笑ったーーー!!!」」





その後は、二人がギヤーギャーうるさかった







『あたし…笑えるようになってきた?』




『お千さん…?あたし…ちゃんと
笑えてた?』

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