夢幻泡影
あれから、戻って来た山崎は

五つほど老けて見えたとか

瑛が聞いた以上の情報は得られず


最終日


先日の浪士達がきた

今宵は一人づつ女がつく

琴里 琴美 涼里 涼香

因みに涼香とは、藤堂だったりする


「琴美だったか?」 「へえ」

「酌をしろ!」 「うちでよろしおすなら」


しばらく酒を飲ませる


「琴美!狼が恐いか?」

「退治してくれはるんどすね?」

「ふふっ手はずが整ったのだ!」

「まぁ!いつ退治するんどす?」

「明日だ!一番強い狼の群れを襲うのだ」

「ふふふっ。おきばりやす!」

「ああ。任せておけ!!」


引き寄せられ頬に口づけされる


『……やっぱり嫌だ』


「いややわぁ。恥ずかしい~!!」


浪士を遠ざけようと押すが

初々しい反応に


「可愛いのおー!」


押し倒される



『叩きのめしたい……いやいや我慢』



手足を拘束されていないから、簡単に出来るが、情報を永倉と斉藤に伝えるまでの辛抱


ふと横を見ると涼香こと藤堂は

首に口づけの痕がたくさん

顔は真っ青だった


『藤堂さん…ご愁傷様です』


「琴美~清香とかわりやす」

「へえ!お客はん。うち新造やからすんまへん。清香ねぇはんと替わりますよって」


『琴里!!ありがとう!!』




永倉たちに知らせに行った

「瑛!よく頑張ったな!!」




『役に立てたかな……?』






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