夢幻泡影
瑛がいなくなったあの日から

瑛の様子がおかしいと…幹部達が会議で心配の声を口にした


「何があったか話すと言ってくれた。俺たちは待つしかない。そっとしとけ」


なんとなく瑛の話に、察しがついている山南は、何も言わずきいていた







そんな会議の翌日







期間限定で京都守護職につくことになった

松平 春嶽が新選組の視察に訪れた

事前に約束ない訪問だった


近藤と土方が客間へ案内していると


春嶽が庭に目をやり、立ち止まる


「いかがされましたか?」

近藤が訊ねる




春嶽が梅の花をみる瑛を見て呟いた





「チユリ…」



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