夢幻泡影
土方が春嶽の目線を追い
瑛を見つける
『瑛を〝チユリ〟と呼んだ?』
土方が春嶽に
「あの者をご存じで?」
と問うと
「こちらへ呼べ!」
明らかに不機嫌な春嶽に嫌な予感がした
しかし、上司の命令
「瑛!!参れ!!」
土方に呼ばれ瑛が近づく
瑛も春嶽に気づき不機嫌
近藤も土方も不機嫌な瑛を初めてみる
春嶽が抜刀し、刃先を瑛に向けた
「この、裏切り者が!!」
「松平様おやめください!!」
近藤が止めに入るが
瑛は刀を向けられても怯まず、低く唸る
「春嶽。裏切り者はお前だろ!!」
近藤、土方が状況把握出来ず見守る
「なに!? 俺はお前のために…」
「はぁ?あたしのため?ふざけるな!」
「ふざけておるのはお前だ!!なぜ逃げた!?」
「逃げてない!!
あんな奴にあたしを売るなんて!!」
「あのお方を、あんな奴などと言うか!」
「あんな奴とつながってる、お前の気が知れない!!」
「なんだと!!家茂様から、甘やかされていい気になりおって!斬られたいか!」
「はあ?あたしに刃物を向けて、無事にすむと思ってんの?相変わらず、馬鹿なの?」
「この野郎!!」
春嶽が振り上げた刀は、いつの間にか瑛の手に渡り、春嶽の腰の鞘に収められた
「春嶽。次、あたしに刀を向けたら…
叩っ切るから… 」
冷たい目をした瑛が春嶽に言う
春嶽 近藤 土方の三人は背中に冷たいものを感じた
今、目の前にいる〝 瑛 〟が三人の知る人物とは、違って見えたのだ
三人に背中を向けて、庭に戻る瑛
『瑛…?』 土方は不安になっていた
視察を辞め帰ると言う春嶽を見送り
土方は、瑛を探した
屯所内に瑛の姿はなかった
初めて瑛が一人で屯所を出た
土方の頭の中に
『チユリ』『裏切り者』
この言葉が回る
『〝 瑛 〟だよな? 瑛は偽名? チユリが本当の名で…幕府の裏切り者?
まさか…な
いや… 屯所を出た、何のために… ? 』
瑛を見つける
『瑛を〝チユリ〟と呼んだ?』
土方が春嶽に
「あの者をご存じで?」
と問うと
「こちらへ呼べ!」
明らかに不機嫌な春嶽に嫌な予感がした
しかし、上司の命令
「瑛!!参れ!!」
土方に呼ばれ瑛が近づく
瑛も春嶽に気づき不機嫌
近藤も土方も不機嫌な瑛を初めてみる
春嶽が抜刀し、刃先を瑛に向けた
「この、裏切り者が!!」
「松平様おやめください!!」
近藤が止めに入るが
瑛は刀を向けられても怯まず、低く唸る
「春嶽。裏切り者はお前だろ!!」
近藤、土方が状況把握出来ず見守る
「なに!? 俺はお前のために…」
「はぁ?あたしのため?ふざけるな!」
「ふざけておるのはお前だ!!なぜ逃げた!?」
「逃げてない!!
あんな奴にあたしを売るなんて!!」
「あのお方を、あんな奴などと言うか!」
「あんな奴とつながってる、お前の気が知れない!!」
「なんだと!!家茂様から、甘やかされていい気になりおって!斬られたいか!」
「はあ?あたしに刃物を向けて、無事にすむと思ってんの?相変わらず、馬鹿なの?」
「この野郎!!」
春嶽が振り上げた刀は、いつの間にか瑛の手に渡り、春嶽の腰の鞘に収められた
「春嶽。次、あたしに刀を向けたら…
叩っ切るから… 」
冷たい目をした瑛が春嶽に言う
春嶽 近藤 土方の三人は背中に冷たいものを感じた
今、目の前にいる〝 瑛 〟が三人の知る人物とは、違って見えたのだ
三人に背中を向けて、庭に戻る瑛
『瑛…?』 土方は不安になっていた
視察を辞め帰ると言う春嶽を見送り
土方は、瑛を探した
屯所内に瑛の姿はなかった
初めて瑛が一人で屯所を出た
土方の頭の中に
『チユリ』『裏切り者』
この言葉が回る
『〝 瑛 〟だよな? 瑛は偽名? チユリが本当の名で…幕府の裏切り者?
まさか…な
いや… 屯所を出た、何のために… ? 』