夢幻泡影
瑛が圭尚に助けられた翌日
足は痛むが料理を手伝う為、圭尚と炊事場に
ボーッとしていたら、指を切った
「ッ!」
「あぁ!相変わらずドジだね!」
圭尚が指の根元を右手でぎゅっと握り
左手を瑛の後頭部に回し
口づけをした
突然のことに瑛が逃げようとするが
口づけが深いものにかわり
抵抗する瑛に圭尚は唇を離したが
瑛の怪我した指をくわえ、傷口を舐めだした
何をされているのかわからず固まる瑛を
チラッと圭尚がみる
口から指を出すと
瑛の怪我が、すっかり治っていた
「ふっ 君は紗瑛じゃないね」
「///////」
「あははっ 真っ赤だね 」 ニコッ
瑛の頭を撫で
「自分の怪我を治せること、知らなかった?」
頷く
「そう。
君は僕が最後に紗瑛に会ったとき、お腹にいた子供かな?」
「翔(カケル)は君の兄上かな?」
頷く
「足も治そうか?」
「////////」
顔をぶんぶん横に振りながら逃げる
「ぷはっ!冗談だよ!!
そっかー。紗瑛じゃないんだ。
そうだよなー。二十年たつもんな…
治癒人の力で若いままかと思ったよ
あははははははっ」
『圭尚さんは母上と、どのような関係?
血の使い方を知ってるなんて…
ここに長くはいられない…怖い』
「ああ!
ごめんっ!!あの…口づけとかして!
////
ごめんっ!!」
横にふる
『改まれると恥ずかしい//////』
「呼び方、紗瑛のままでいいかい?」
頷く
「紗瑛」
優しく母の名前を呼び、瑛を抱きしめる
『あったかい…』
土方の温もりを思い出し、涙を流した
『信じれば…また裏切られる…』