夢幻泡影
土方が瑛に口づけをする
深く深く
息苦しさに瑛がもがく
「はぁっ はぁっ どうして知ってるの?」
「は?何を?」
「治療のしかた」
「え?こうやって治療すんのか?」
「へ?治療人だって知ってるんでしょ?」
「あぁ。治癒人が何か知ったのは、瑛が飛び出した後だ。治療って口づけなのか?」
「うん…血も使うけど…」
「治療ってわかっていても、瑛が俺以外とか嫌だな」
「/////土方さん/////」
「戻ってこい!」
「新選組が危険になるから、江戸に戻る」
「例の僧侶とか?」
「沖田さんから?」
「あぁ」
「圭尚は、母を買った人
偶然出会ったの
あたしを自分の子供のように思ってくれてる
どうしても吉田の所には、行きたくない」
「そうか……
会えなくなるんだな」
「そうね。お元気で…
御武運を…」
瑛は、土方の両頬を手で包み
触れるだけの口づけをした
「さよなら…」
瑛が、そう言って天井へ消えた
土方は何も言ってやれず、引き止められずにいた
瑛を思えばこそ、危険から避けてやりたかった