夢幻泡影
「お待たせ」

「ちゃんとお別れは、言えたのか?」

「うん。ありがとう」

「よし!いい子だ!」


瑛の頭をポンポンと撫でる

町外れの寺へ帰る




寺の中に人の気配……




「ここに、あの女の手掛かりはないな…」

「僧侶といたと報告がありましたが…」

「僧侶もいない、おそらくここを離れたのだろう」

「引き上げるぞ」 「「「「はい」」」」


長州の者が寺を荒らしていた


「今日出くわした新選組の隊に間者がいるのだな…まあ、勘のいい人の所でよかったね」

「沖田さん、永倉さんの隊か… 」

「瑛、とにかく京を離れなければね」

「……うん」

「心配なのは、わかるが
瑛が長州に捕まったら、彼らは敵になってしまう」

「それは…嫌」

「行こう!」




ドスッ バタン

圭尚が倒れる

戦闘態勢になる前に ドスッ

瑛も倒れる



「ふん。連れて行け!
ああそうだ、女はしっかり縛っておけ、
吉田さんが来るまで誰も近づくな」

「御意」
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