夢幻泡影
騒ぎを聞きつけ部屋に来た土方に沖田がお粥がしょっぱい事件を語る


土方が、瑛の頭をわしわしと撫で

「よくやった!!」

全力で褒める


『沖田さんに恨みがあるのか?』


土方が褒めたのは、人形のように動かない瑛が沖田にお粥を食べさせたことだったが

沖田も瑛と同じ勘違いをした


「土方さん!!私しょっぱいんですよ?」


『沖田さんも馬鹿なの?それとも馬鹿の素が入ってた?』


沖田の訳のわからない抗議に土方がキレる


「お前の味なんかきいてねぇ!!」


「ぶわっはっはっはっ!!」


皆が笑う



『こんなに賑やかなのはじめて…』



今まで一人暗い部屋に繋がれていた瑛には刺激が強すぎた


永倉にもたれた体がブルッと震える



「大丈夫か?」


永倉の声に皆が静かになる


瑛は口をパクパク動かす


土方が異変に気づいた


瑛の目の前へ座り、両頬を優しく包み


「大丈夫だからな…ゆっくり息を吸ってみろ。」


「ヒィュッ」


「そうだ! 今度はゆっくり吐いてみろ。」


「フッ」


何度か土方とのやり取りを繰り返すと


やっと呼吸ができるようになった



楽になった瑛はそのまま眠った



原「騒ぎ過ぎたな…ごめんな。」

藤「ごめんな。」

沖「ごめんなさい。」

永「おやすみ」



一人づつ瑛の頭を撫でて部屋をでた

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