夢幻泡影
「瑛、ありがとう!!嬉しいよ!!
最後に、仲間を止めたいんだ!!
武力行使では、世は乱れるばかり!
松平 春嶽が近く、京を離れると聞いた
これを機に事を運ぶだろう
その前に俺が、屋敷に火をつけ混乱招く

瑛、新選組に知らせておいで… 」


驚きに目を見開いた

これは、吉田の裏切り行為

敵が有利になるよう、密告しろというのだ

吉田から、新選組という名を初めて聞いた


「稔…いいの?」

「ああ。もとよりお前と暮らすことしか、考えていない!」


新選組へ密告した後

自分の所へ帰ってくると信じてくれている

吉田を大切にしたい感情が瑛にはあった


「わかった…」


屋敷まで、お互い口を開くことはなかった

< 83 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop